武田クリニックメールマガジン 第153号
2009.12.26
守田医師より
いよいよ2009年もあと少しとなりました。年末年始はいろいろなイベントがあり、ふだんよりご馳走をいただく機会が増える方も多いかと思います。
普段頑張っている方は、イベントの時は家族や仲間と楽しいひと時を過ごしてください。
イベント以外では食事を始めとする生活習慣を引き締めて、
お正月後の血糖コントロール状態の悪化を防ぐように頑張ってください。
今回は、糖尿病発症予防に関するアメリカ合州国での大規模試験の結果をご紹介いたします。
「糖尿病予防プログラム(DPP)」という試験です。
高血糖、過体重、肥満があり、糖尿病発症のリスクが高い人を対象とし、生活習慣改善をした群とそうでない群を約2.8年比較したところ、生活習慣改善をした群はそうでない群に比べて約58%もの糖尿病の発症を予防しました。 その検査終了後も経過観察を行い合計10年間の危険因子介入をつづけた結果がこのほど発表になりました(DPPOS)。これによると、生活習慣の改善はその後10年間の糖尿病発症を約34%減少したとされます。
生活習慣の改善が約10年にわたって糖尿病の発症を予防できることを示しています。すでに糖尿病を発症している方でも生活習慣の改善は、非常に重要ですが、発症予防にも重要かつ効果的であることが示されました。
尚、この試験での生活習慣の改善は具体的には、総カロリーと脂質摂取制限、週に150分以上の運動です。
現在、日本でも「糖尿病予防のための戦略研究(DOIT)」や「早期糖尿病の進展予防に関する無作為比較」などの大規模試験が進行中で結果が待たれるところです。 次回は糖尿病の治療中の方の大規模試験の最近のデータをお伝えしたいと思います。
看護師 白石より
今年も後1週間余りとなりました。皆さまにはどんな1年でしたでしょうか。
私も武田クリニックに毎日勤務する様になり早いもので1年が経ちました。さて、患者さんには採血の前に、体重を測っていただいておりますが体重を減らす努力、増やさないような努力をしていらっしゃる皆さんの姿勢にいつも頭の下がる思いです。
これからは忘年会、お正月、新年会とご馳走を前にする機会が増えますね。体重を気にしながらのそういう機会は、なかなか大変な事もおありかと思いますが、メリハリをつければたまには楽しむ日もあっていいのではないでしょうか...ただ、お酒やお食事によって血糖値の変動が予想されるのでいつもより血糖値の事を気にかけ自己測定をされている方には、いつもより測定の回数を増やして、チェックをしていただけたらと思います。
そして楽しい年末年始をお過ごしください。私は京都の実家で新年を迎える予定です。大正生まれの父は、両手に杖が必要ですが、まだまだ元気でいてくれる両親に久しぶりに会ってこようと思っています。
今年1年患者さんには大変お世話になり、ありがとうございました。
皆さんにとって来たる2010年が幸せな年であります様にお祈りしております。
どうぞ良いお年をお迎えください。